本日つくるもの
ブラウザの Gemini に、自分の仕事に合わせたアシスタントを1つ作ります。インストールするものはありません。
役割と出力の形を決める
「誰として答えるか」と「どの形で出すか」をアシスタント側に持たせます。毎回同じ前置きを打ち直す手間がなくなり、人が変わっても出力が揃います。
手元の資料を覚えさせる
手順書や様式を知識として渡します。資料に書いてある決まりに沿って答えるようになり、思いつきで書かれた答えが減ります。
Gemini Notebook と見比べる
同じ資料を Gemini Notebook にも入れて、同じ質問を投げます。出典が要る仕事はどちらに向くのかを、実際の回答を見て判断します。
直しどころを見つける
思ったとおりに答えないときに、質問の側を直すのか設定の側を直すのかを切り分けます。ここが分かると、他の仕事にも同じ手が使えます。
本日のゴール
当日の流れ
| セッション | 内容 | 形式 | 時間 |
|---|---|---|---|
| S01 | オリエンテーション | 講義 | [10min] |
| S02 | RAG・LLMWiki・Gemini Notebookの違い | 講義 | [30min] |
| S03 | アシスタントエージェント設計 | ハンズオン | [35min] |
| S04 | エージェント作成ハンズオン | ハンズオン | [35min] |
| S05 | 質疑応答・閉会 | 講義 | [10min] |
合計 [120min]。開始時刻は当日のご案内をご確認ください。
ツールと役割分担
同じ資料を Gemini と Gemini Notebook の両方に入れて、同じ質問を投げます。どちらもブラウザだけで動きます。当日読ませるのは配布したダミーの資料か、ご自身で用意した社外秘でない資料だけです。
Gemini
ブラウザ版・無料の範囲
- 業務アシスタント(Gem)の作成
- 役割と出力の形の設定
- 手順書・記録の読み込み
- 議事録メモの整形
Gemini Notebook
ブラウザ版・無料の範囲
- 同じ資料を入れて同じ質問を投げる
- 出典が示されるかの確認
- 資料が増えたときの引きやすさの比較
当日選ぶモデル
3.6 Flash
モデルの名前は入れ替わりが早く、ここに書いたものと当日の画面が違うことがあります。当日は入力欄の上にあるモデルの一覧から、表示されているものをお使いください。無料でお使いいただける範囲は Gemini の使用量上限(Google 公式ヘルプ) で公開されています。
Gemini の最新動向
本日使うツールは、この数か月で名前も機能も動いています。2026年8月15日時点の公式ドキュメントで確認した内容をまとめます。
確認できた事実
本日つくるアシスタント(Gem)は、無料の範囲で使えます。Google の公式ヘルプにあるプラン別の一覧で、Gem は「Google AI プランなし」の列にチェックが付いています。同じ表で Gemini Spark は無料と Plus が対象外になっています。
Gemini Spark は、Gemini を「答えるもの」から「動くもの」へ広げる機能です。2026年5月19日の Google I/O で発表され、日本には7月29日に案内が出ました。指示を出すとバックグラウンドで動き続け、Gmail や カレンダー を操作します。使うには Google AI Pro か Ultra が必要で、仕事用・学校用のアカウントでは使えません。
スキル(Skills)は、Spark に手順を覚えさせる仕組みです。Gem の置き換えではなく、Spark の中で使う機能です。こちらも Google AI Pro か Ultra が必要で、個人のアカウント限定です。欧州経済領域・ナイジェリア・スイス・英国では使えません。
NotebookLM は Gemini Notebook に名前が変わりました。2026年7月16日の発表です。同じ製品のまま名前とロゴが変わり、これまでのノートブックと共有リンクはそのまま使えます。本教材では新しい名前で統一しています。
Google が向かっている方向
Spark を発表したときの言葉が、いちばん分かりやすく方向を示しています。
「質問に答えるだけの受動的なアシスタントから、24時間いつでもタスクをこなし続けてくれる能動的な頼れるパートナーへと、AI の役割をガラリと変える画期的な機能です」(Google Japan 公式ブログ 2026年7月29日)
つまり、作るものが「よく答えるアシスタント」から「自分で動くエージェント」へ移りつつあるということです。本日つくる Gem は前者にあたります。まず前者を自分の手で作れるようになると、後者が来たときに何を任せられるかの判断がつきます。順番として遠回りではありません。
報道されている話
この話をどう受け取るかですが、確かめようがある部分と、そうでない部分を分けて見てください。案内文が実在することは画像で分かります。一方、それが正式な決定なのか、いつ実行されるのか、無料の利用者がどうなるのかは、誰も確認できていません。
ひとつ言えるのは、移行先とされるスキルは、いまのところ有料のプランでしか使えないということです。仮に報道のとおりになった場合、無料で使っている人の受け皿は、現時点では示されていません。
この研修での扱い
本日は Gem で業務アシスタントを作り、Gemini Notebook と回答を見比べます。上の表のとおり Gem は無料の範囲に含まれています。Spark と スキル は有料のプランが必要なため、本日は紹介にとどめます。
見比べ方をひとつ変えています。改称と同時に、Gem の知識に Gemini Notebook のノートブックを直接ぶら下げられるようになりました。「どちらを選ぶか」ではなく「Gem の知識源として Notebook を使う」という組み合わせ方も、当日その場でお見せします。
あわせて、作った Gem の設定文をテキストで手元に保存する手順を最後に入れました。設定文さえ残しておけば、提供のかたちが変わっても同じものを作り直せます。
開催日は10月20日より前です。本日の内容は、報道がどうなっても最後まで実施できます。
本セクションの内容は2026年8月15日時点の公式ドキュメントに基づいています。開催までに変わることがあります。当日は画面の表示を優先してください。
事前セットアップ
開催日までに、次の準備をお願いします。
- 1Google アカウントお手持ちの個人用アカウントで問題ありません
- 2Gemini(ブラウザ版)無料の範囲で使います。ログインできる状態にしてください
- 3Gemini Notebook同じ Google アカウントでログインできる状態にしてください
- 4配布物のダウンロードと展開0917_handson.zip を展開しておいてください
ハンズオンの進め方
はじめに題材を決めてから、講師が画面を出しながら1手ずつ進めます。同じ操作を手元でなぞってください。
題材が思いつかないとき
いま常駐先が決まっていない方や、手元に持ち出せる資料が無い方は、配布フォルダの 04_スキルシート を題材にしてください。自己PRの欄を埋めるアシスタントを作ります。常駐先の資料を題材にしたい場合でも、顧客名・製品名・型式が入ったものは避けてください。様式や手順だけを取り出せば、中身を出さずに同じ練習ができます。
作った設定を手元に残す
研修が終わる前に、アシスタントに書いた指示文をコピーして、自分のパソコンにテキストで保存してください。職場で共有したい場合も、この文章を渡せば同僚が同じものを作れます。設定を育てていくときは、日付を付けて古い版も残しておくと、うまくいかなくなったときに戻せます。
配布物ダウンロード
当日使う一式を ZIP にまとめてあります。中身は同じで、日本語のファイル名の入れ方だけが Windows 用と Mac 用で違います。
ZIP の中身
| フォルダ | 入っているもの |
|---|---|
| 01_業務手順書/ | 月次報告書の作成手順。アシスタントに覚えさせる元の資料です |
| 02_問い合わせ記録/ | 2026年6月の問い合わせログ(CSV)。繰り返し聞かれることを見つける場面で使います |
| 03_議事録メモ/ | 定例会の走り書きメモ。議事録の形に整える場面で使います |
| 04_スキルシート/ | スキルシートの記入例。題材が思いつかない方はこれを使います |
| README.md | 中身の一覧と、ファイル名が文字化けしたときの直し方 |
FAQ
結局、RAG と社内Wiki のどちらを使えばよいのですか。
資料の量と、更新の頻度で決めます。資料が数百件を超えて人が探しきれない規模なら、質問のたびに探しにいく方式(RAG)が向きます。数十件で、書いてある内容が安定しているなら、まとめて置いて人も AI も同じ場所を引く方式のほうが安く早く済みます。個人や小さなチームで始めるなら後者からで十分です。当日は同じ資料を両方に入れて、回答の違いを見たうえで判断します。
Gemini Notebook は RAG なのですか。
利用者から見れば、資料を入れて質問すると出典つきで答えが返る点で RAG と同じ使い心地です。違いは、自分で仕組みを作らなくてよいことです。社内に RAG を構築するかどうかを考える前に、Gemini Notebook で足りるかを試すほうが早く答えが出ます。
常駐先の資料を題材にしてもよいですか。
顧客名・製品名・型式が入ったものは使わないでください。個人の Google アカウントで無料の範囲を使う場合、会話の一部は人によるレビューの対象になり、設定によってはモデルの改善にも使われます。Google 自身が「機密情報は入力しないでください」と案内しています。様式や手順だけを取り出せば、中身を出さずに同じ練習ができます。(Gemini アプリとプライバシー)
Gemini と Gemini Notebook で、情報の扱いは同じですか。
違います。Gemini Notebook は「フィードバックを送信しない限り、Google の基盤モデルのトレーニングに直接使用されることはありません」と公開されています。ただし回答の下にある高評価・低評価のボタンを押すと、そのときのソースや出力が収集の対象になります。研修中は、このボタンを押さないでください。(Gemini Notebook のプライバシー)
いま待機中で、題材にする業務がありません。
配布フォルダの 04_スキルシート を使ってください。自己PRの欄を埋めるアシスタントを作ります。経歴の書き出しから文章にするところまでを AI にやらせる流れは、そのまま次の案件の準備にもなります。
有料のプランに入る必要はありますか。
ありません。アシスタント(Gem)の作成は無料でお使いいただける範囲に含まれています。(Gemini の使用量上限)
Gemini Notebook が途中で使えなくなりました。
無料の範囲は1日あたりのやりとりが50回までです。上限に達すると翌日まで待つことになります。見比べる質問は3つほどに絞って、残りは Gemini 側で試してください。(Gemini Notebook の使用量上限)
資料を覚えさせたのに、書いていないことを答えます。
設定文に「知識に入れた資料に書いていないことは推測せず、書いていないと答える」の1行を足してください。それでも直らない場合は、質問の言葉を資料に出てくる言葉に寄せます。資料の見出しに使われている語をそのまま使うと当たりやすくなります。
作ったアシスタントを同僚に渡せますか。
共有の可否と手順は、お使いのアカウントの種類によって変わります。当日は自分のアカウントの中で使うところまでを扱います。設定文そのものはただの文章なので、テキストで渡せば同僚が同じものを作れます。配りやすさを考えるなら、設定文を社内の共有場所に置いておく方法が確実です。
画面に出ているモデルの名前が、資料と違います。
資料に書いてあるものより新しいモデルに入れ替わっています。入力欄の上にある一覧から、表示されているものを選んでください。どれを選んでも当日の内容は進められます。
ZIP を展開したらファイル名が読めない文字になりました。
ZIP の取り違えが原因です。Windows をお使いの方は赤いボタン、Mac をお使いの方は「Mac をお使いの方はこちら」から取り直して、展開し直してください。
